細胞環境デザイン学の学びでは、がんを以下のようにとらえています。
それは、がんは外来の病原体が私たちを乗っ取ろうとしているわけではありません。もともと私たちの体を構成している細胞です。
しかも、がん細胞は「DNAがダメージを受けて変異したもの」でもありません。体内の環境が極限まで悪化し、このままでは生命活動が行えないという窮地に立たされた際に、細胞が生き延びるための最終手段として、自らの意志でがん細胞へと変身するのです。そして、劣悪な環境の中で独自の生存環境を何とか確保しながら増殖していきます。
ですから、がんを防いだり治したりするには、そもそも細胞ががん化への道を選ばなくても済むように、あるいは異常増殖する気も起らないように、体内環境を改善すれば良いわけです。そうすれば、すでに発生していたがん細胞はがん細胞でいる必要がなくなり、いずれは再び正常な細胞に戻っていきます。
つまり、私たちの生活習慣や食生活を改善すれば、心身両面から体内環境が改善され、がんを予防・退縮する方向に切り替えられます。そして、この対策は、新型コロナウイルスの感染や重症化を防いだりするのも可能になります。
これらの習慣は、医薬品に伴うような重篤な副作用などとは一切無縁で、しかも特定の健康問題にしか効果がないなどということはなく、全身の細胞にまんべんなく健康効果をもたらします。そしてこれこそ「真の健康」「真の免疫力」につながっていきます。
ちなみに、細胞環境デザイン学の山田豊文先生の指導を長年受けている横綱白鵬関は2020年2月の第十回白鵬杯のスピーチで世界中から集まった小中学生に次のようにおっしゃっています。
「実は横綱は8年前から、野菜中心の食生活に変えました。牛乳も飲まないようになりました。ですから、本物のアスリートになりたいと思うなら、野菜をもっと食べましょう。」
野菜をしっかりとることで、炎症体質が抑えられ、ケガも少なくなります。白鵬関はすでに食の重要性を十分理解しているのです。
このようにがんや感染症に限らず「真の健康」をもたらす食事のポイントは野菜をしっかりとることであり、「抗酸化」と「抗炎症」です。このポイントを満たした食事法を山田豊文先生が紹介しています。
① 精製や加工の度合いが低い食べ物を選ぶ
② 3大ミネラル(マグネシウム・亜鉛・セレン)の豊富な食品を多くとる
③ 高MAC食品(食物繊維)を多くとる
④ 油(脂肪酸)のとり方に注意する
⑤ 動物性タンパク源を減らし、植物性タンパク源を増やす
⑥ できるだけオーガニックのものを選ぶ
⑦ ローフード(生の食べ物)や発酵食品をフル活用する
以上のように植物性主体の未加工の食事が基本になります。
正しい食事法は、新型コロナウイルス対策やがん対策等幅広く役立つのです。
(参)ウイルスにおびえない暮らし方