体には「良いストレス」と「悪いストレス」があります。
「悪いストレス」は病気を招き、「良いストレス」は細胞を目覚めさせ、生命力を高めます。
「悪いストレス」には、精神的なストレス、感染や炎症などの生物学的ストレス、添加物や有害物質などの化学的ストレス、騒音や放射線、乾燥などの物理的ストレス等があります。
現代の私たちの生活には、この「悪いストレス」があふれていて、特に昨年からのコロナ劇場によって不安をあおられ、ストレスが増長されています。
さらに、私たちの体を作っている細胞や共生している微生物に、悪影響を与えています。
一方「良いストレス」は、適度な日の光、紫外線や寒暖差、また環境中の微生物との接触、そして、空腹を感じることなどがあります。
これらは、私たちの細胞を目覚めさせることになり、その時に重要な役割を果たすのが「HSP」(ヒートショックプロテイン)や「オートファジー」です。
HSPは、体が40℃以上の高熱にさらされると出現したことがその名の由来です。
HSPは「良いストレス」にさらされたときに細胞内で作り出される生体タンパク質で、細胞内の不良なタンパク質の発生を防いだり、生じた不良なタンパク質の修理・再生を行ったりしています。
一方「オートファジー」は、不要な生体タンパク質などを処理・再利用する働きです。
「オートファジー」の働きは、特に健康に多大な影響を及ぼしていて、病原菌の処理、ミトコンドリアの機能、がん、パーキンソン病、老化などとの関連があります。
この「オートファジー」が最も誘発されるのは空腹時です。12時間ほど空腹が続くと働きはじめ、本格的に作用するのが16~18時間後となります。
そして、HSPやオートファジーは、過酷な環境下でも生き抜くための、細胞の本気スイッチをオンにしてくれるのです。特に両者を増やす「良いストレス」の代表格が断食(ファスティング)です。
不安や抵抗がある人なら、まず「18時間断食」や「1日断食」などからトライしてみましょう。そして、もう少し長期にしようと思うならば、14日から5日間を目標にファスティングを行いますので、ご一緒にしませんか。
(参)老けない体をつくる空腹健康法