予防医学を行うヘルスコーチとして活動されている消化器外科医の石黒成治医師がいらっしゃいます。彼は、腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法をメールマガジン、You Tube、Instagram、Facebookなどで情報発信をされています。
今回、石黒医師の「少食ライフ」より肝臓ケアをご紹介します。
肝臓は人体の中で最大のデトックス器官です。肝臓は細胞レベルで毒素を中和して無毒化します。そして、その毒素は主に腸から流入するものと、体内の代謝の過程で生成される生物学的毒素があります。
腸から入る主な毒素は、食品由来の添加物や保存料、酸化した脂質などの炎症誘発物質や未消化の食事成分、そして腸内の細菌です。これらが吸収されて腸の血流に乗ってすべて肝臓に流れ込むようになっています。そして、これらをすべて濾しとり、細菌などは肝臓内に存在するナチュラルキラー細胞やマクロファージなどの貪食細胞が処理をします。
また、毒素は一般的に脂溶性のため、そのままでは排出することは困難です。そのため肝臓では毒素を抱合という形にして、脂溶性から水溶性に変換します。水溶性で無毒となった代謝物質は血液の中に入って腎臓から尿として排泄されるか、肝臓から胆汁という形で直接、腸の中に捨てられます。
このように、肝臓は全身の臓器のボディーガードのようなもので、最初に毒素を処理することで、脳や心臓などの他の臓器に到達する毒素の数を大幅に減らすことができるのです。
また、もう一つの代謝過程で生成される生物学的毒素には、アンモニア、ホルモン、LPS(リポ多糖)、カビ毒素などがあります。アンモニアは、タンパク質の製造過程で生じる副産物で有毒なので、肝臓で尿素に分解されます。ホルモンは体内バランスが適切に保たれることが大切で、肝臓から胆汁中に排出されて腸内に捨てられます。グラム陰性菌という細菌の細胞壁にはLPS(リポ多糖)いう内毒素が含まれていて、細菌が死滅するたびに腸内から流入します。カビ毒は、お風呂や天井などの黒カビなどの環境・食品から体内に入り発生させたものです。
このように多くの毒素が体内に流入したり、体内で生成されるため、肝臓は休まる暇がありません。
ですから、肝臓を労わるために、日々摂取する食事内容や内服薬などを考えなくてはいけません。そのために、食事を節したり、肝臓を保護する食品を取ることが大切です。また、腸を整え、毎日きれいな便を出すことも大切です。
今回は、肝臓を保護し、肝臓のデトックス効果を食品を3つご紹介します。
- りんご
りんごの食物繊維にはペクチンが含まれています。ペクチンは、善玉菌のエサ(プレバイオティクス)となり、リーキーガットを修復し、腸内環境を改善します。腸から水銀や鉛などの重金属を吸着して排出することを助ける作用もあります。また、リンゴに含まれるポリフェノールには炎症を抑える効果があります。
- ビーツ
動物実験では、ビーツのジュースが肝臓のダメージを軽減し、自然の解毒酵素を増加させるという結果が出ています。また、ベタレインという色素には心臓を健康に保ち、強い抗炎症作用もあります。
- ニンニク
紀元前から重要な薬としての役割を果たしてきたニンニクは、現代でも様々な病気予防や治療効果に関する実験・臨床報告が行われています。みじん切りにより生成されるアリシンは強力な抗酸化作用があり、肝臓細胞を保護する効果が認められています。また、脂肪肝予防効果や、週2回以上の摂取が肝臓がんを予防すると報告されています。
さて、プラズマ療法では、抗酸化による働きと体内酵素を活性化させることにより肝臓ケアをとてもサポートするものと考えています。ぜひ、人体最大のデトックス臓器である肝臓を労わって行きましょう。
(参)少食ライフ