日本人は寿命の延伸に伴って、人生100歳まで謳歌できる可能性が高まっています。
しかし、100歳以上の人の90%が認知症(軽度認知機能障害を含む)です。80歳を超えると5人に1人以上、90歳を超えると5人に3人以上が認知症になっています。
その認知症を予防する効果的な方法が「睡眠」と「運動」です。その一つの「睡眠」の働きをご紹介します。
認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる症状をさす言葉で、病名ではありません。認知症の原因になる病気は、よく知られているアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症他、甲状腺機能低下症、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などです。
その中で主なタイプであるアルツハイマー型認知症は、脳の老廃物と言われている「アミロイドβ蛋白」の蓄積で発症するとされています。アミロイドβ蛋白は、脳にたくさん蓄積すると「老人斑」を作り、強い神経毒性により脳の神経細胞が減少させ、脳を萎縮させていきます。そのため、物忘れから徐々に記憶障害、認知機能障害が進行していきます。時間や場所が分からなくなったり、話している言葉が理解できなくなってしまいます。
さて、私たちの脳は毎日、アミロイドβ蛋白やその他の代謝産物を含めさまざまな老廃物が産生されています。そして、その老廃物を洗い流してくれる「お掃除」システムがあるのです。
それは、夜間の睡眠中に、脳内のグリア細胞(脳の神経細胞を支えている細胞)が60%も収縮してスキマができ、そこに脳脊髄液が勢いよく流れ込み、脳の老廃物洗い流してくれるものなのです。ジェット水流による洗濯が脳の中で毎日行われているイメージです。
つまり、きちんと睡眠をとっていれば、アミロイドβ蛋白は毎日きれいにお掃除されます。そして、このお掃除システムは「深い睡眠」ほど活発に働くのです。
7時間以上の睡眠時間をキープし、深い睡眠をしっかりととっていれば、アミロイドβ蛋白は溜まることはなく、アルツハイマー型認知症を予防できるのです。逆に、睡眠時間を削るほど、アミロイドβ蛋白は溜まりやすく、アルツハイマー型認知症を加速させるのです。
実際、睡眠障害を認めない人と、睡眠障害を認める人を比べると、アルツハイマー型認知症の発症リスクは4~5倍にも増えます。
また、アメリカの国立衛生研究所の研究によると、40歳の健康な男女を30時間眠らせずに、つまり「たった1日の徹夜」で、その脳をPET(高精度の画像診断装置)で調べたところ、海馬、海馬傍回、視床の3つの領域でアミロイドβ蛋白の蓄積が認められました。
前回同様、「睡眠を削ることは命を削ること」に等しいのです。
ですから、安易に睡眠時間を削ることをせずに、しっかりと睡眠をとっていきましょう。
ちなみに、コーヒーはさまざまながんのリスクを50%以上低下、アルツハイマー型認知症のリスクを65%低下させ、その発病や進行を2~5年遅めます。
また、運動も認知症のリスクを50%減らします。
そして、プラズマ療法も認知症の予防と改善に有効です。プラズマ療法は本物技術であり、全てを良くするのです。
(参)ブレインメンタル強化大全