今の医療は、エビデンス(科学的確証)というものを重視して来ています。
しかし、全てが目に見えるエビデンスとはなかなか行きません。それは、人間が単純な物質のみで出来ているではなく、さまざまな要因が絡み合っていますし、肉体以外の心や魂といったものや生き方も絡んでいるからです。それでも、コツコツと研究が積み重ねられて、最善な医療を目指した研究が続けられています。
このような中で、2020年8月にオックスフォード大学の研究チームが発表した論文では「ハチミツは市販薬や抗生物質よりも風邪の治療に効果的」との結果が報告されています。
研究チームは、ハチミツが風邪の症状に及ぼす影響を検証した14の研究を分析し、効果を調査しました。この14の研究は、合計で1761人の被験者を対象としており、喉の痛み、鼻づまり、せき、うっ血といった風邪(上気道炎)の症状を改善する上で通常の治療よりも効果的との結果が確認されました。
ただ、全てのハチミツが同じように作られているわけではなく、複雑で不均一な物質であるため、ある種のハチミツが他のハチミツよりも風邪の治療に効果的な可能性もあります。特に、ニュージーランドのマヌカハニーは公的に認められた検査機関による品質管理が行われていて、有用性が知られています。
しかし、今回分析された研究ではさまざまな種類のハチミツが使用されていたものの「ハチミツが風邪の症状を緩和する」という結果は一貫していたと研究チームは指摘しました。
そして、ハチミツを風邪の治療に使うことによって「抗生物質により薬剤耐性を持った細菌を増やしてしまう悪影響を防ぐことができる」と研究チームは考えているとのこと。
ただ、風邪の約90%はウイルスによる感染が原因なので、そもそも抗生物質に効果は期待出来ません。少数ですが、百日咳やマイコプラズマなどの細菌性の感染症では抗菌薬での治療が検討されます。また、せき止め治療法も有効性に確証がないことも報告されています。
そして、エビデンスを重視する医師ならば、風邪にはハチミツを摂ることを指導することになります。副作用はまずありませんので安心です。
ただし、1歳未満のお子さんの場合には、ハチミツを摂るとボツリヌス毒素症を起こす可能性があるために、絶対に与えないで下さい。
「体に害のないことをせよ。」というヒポクラテスの教えからも、風邪でしたらハチミツを摂って温かくして休みましょう。
また、エビデンスとまではいかないまでも、呼吸器内科の医師達が風邪の一種であるコロナ陽性者数百名にプラズマウォーターを飲ませることで、平均4日で陰性になったことを報告されています。寒さの厳しい時期なので、ぜひプラズマ療法で体調管理を続けてみましょう。