前回は、人に親切にするカインドフルネスを実践するとオキシトシンが分泌され、それが動脈の血管から一酸化窒素(NO)の分泌を促すこととその多様な効果をご紹介しました。
今回はさらに、それ以外のオキシトシンの効果をご紹介します。
まずは、抗炎症作用としてガン、心臓病、糖尿病、リウマチ、アルツハイマー型認知症など慢性炎症から引き起こされるさまざまな病気予防になります。また、抗酸化作用としては体の内側から全身の酸化を防ぎ、特に女性にとっては肌の老化防止がうれしいですね。
また、オキシトシンは新しい筋肉を作る働きがあり、筋肉の再生をしてくれます。筋肉は美容ではリフトアップです。ある意味、いじわるの人やずるい人はオキシトシン濃度が低いことで、筋肉の維持が低下して顔の筋肉が垂れ下がってしまっているのでしょう。
ですから、カインドフルネスを実践すれば、若々しい体力をキープするだけでなく、顔つきまで変わって来るのです。
さらに、オキシトシンは社会不安の改善効果もあります。オキシトシンは絆のホルモンなので、目の前の人を信頼できるようになります。
また、オキシトシンはうつや不眠の改善効果もあります。
ストレスによってセロトニン神経が弱ってしまいセロトニンの分泌が低下することでうつなどになりますが、オキシトシンはセロトニン神経を活性化することでうつを改善してくれるのです。
アドラー心理学で有名なアドラーは、うつ病患者さんに次のように言っていました。
「この処方通りにしたら、二週間できっと全快しますよ。それは、どうしたら他人を喜ばすことができるか、毎日考えてみることです。」
親切な毎日がうつの一番の薬だったんですね。
そして、セロトニンは夜になると睡眠を司るメラトニンに変化します。ですから、セロトニン神経の活性化は不眠にも役立つのです。
さらに、カインドフルネスはストレスの毒消しになります。
イエール大学の研究では、親切が多い日は、たとえストレスが多くても夜までイキイキ元気でいられた。逆に、親切が少ない日は、たとえストレスが少なくても夜はどんよりした気分になったという傾向がつかめました。
つまり、人に親切にすることを続けると、ストレスがたまりにくくなるということなのです。
最後に、カインドフルネスは長寿効果があるということです。
親切にすると、寿命のろうそくと言われているテロメアが短くなるスピードが遅くなり、寿命が延びるのです。
最後に、親切のコツと注意点です。
コツは、親切を数えることです。すると、幸福感がアップし、自信もアップしていきます。
もう一つのコツは、親切を実践しなくても心に思いやりの気持ちを持つだけ、つまり「想像」だけでも実践と同等の効果があるということです。慈悲の瞑想であり、マインドフルネスの瞑想の一つにもなっていますが、やり方は次の通りです。
まず、目をつぶり自分を想像して「私が幸せでありますように」と祈ります。次に、配偶者、家族や友人、同僚などからさらに周りの人々や動植物に思いやりの輪を広げて行って、最後に「生きとし生けるものが幸せでありますように」と締めくくります。
これを続けて行きますと、思いやりや共感の脳皮質部に変化が起こり、コミュニケーション能力アップにもなります。
そして、注意点は「見返りを期待しないこと」です。親切をしてあげたのに「ありがとう」も言わないなどと見返りを期待するとストレスにもなり逆効果になります。
「自分がして欲しいことを、人にしてあげなさい」はあらゆる宗教でも言っている「幸せ法則」で、黄金律(ゴールデンルール)です。科学的にも証明されてきたのです。
ダライラマも「幸せになりたいなら、思いやりを実践しなさい」とおっしゃっています。
どうでしょうか。やらないともったいないですね。
どうでしょうか。このように人に親切にするカインドフルネスは美容、健康にとても役立ちますね。
(参)ブログ「心理カウンセラー、ラッキー」