“バイスタンダー効果”とは、放射線(電離放射線)を直接照射された細胞だけでなく、その周囲の直接照射されていない細胞にも放射線を照射された影響がみられることです。
今回も、﨑谷博征医師の「ガンは安心させてあげなさい」よりご紹介させて頂きます。
まず、いくつか、そのバイスタンダー効果の例を挙げます。
- マウスの頭部(脳)を鉛で保護して、全身に放射線をかけた実験では、この脳を保護したマウスに悪性脳腫瘍が出来ました。
- 前立腺ガンに放射線を当てた症例では、高率に肺ガンを発症することが分かっています。(二次的発ガン)
- ラットの実験で、肝臓に放射線を当てたところ、記憶・認知・実行機能など遠隔の脳に著しい障害が出ました。
- ある生けすの魚に放射線を当てます。この生けすに新しい魚を入れると、その魚も放射線を当てていないのにもかかわらず、放射線障害が見られました。
- チェルノブイリ原発事故の被爆者およびガンで放射線治療を行った人の血液を取り出し、正常細胞が入ったペトリ皿に加えると、正常細胞の染色体がダメージを受けました。
- 男性の頭部に放射線を当てると、その男性の精子に異常が起こります。そして、その男性の子供が白血病になる確率が高くなることまで分かっています。
どうですか。安易に検査で放射線を浴びると、以上のようになり得るということです。
しかも、恐ろしいことに、このバイスタンダー効果は長期的に効果が持続し、さらにその効果が子孫に“遺伝”していくことです。環境に起こった生命場の変化が遺伝していくという「環境遺伝」効果が認められるのです。
このことは、「遺伝子決定論」、「遺伝子変異説」等の仮説を明らかに否定するものです。そして、遺伝子よりもむしろ環境因子の方が、明らかに生命体の形態や性質に影響を与えているということです。
さらに、生命体のメカニズムを理解すれば、放射線や化学物質曝露に関しての「安全閾値」などというものは、何の学問的な根拠もない全くのイリュージョン(幻想)なのです。
(参)ガンは安心させてあげなさい