昨日、2月29日(土)NHK総合にて「東洋医学ホントのチカラ」という番組を見ました。
その中で、漢方薬が免疫や自律神経系に働きかけることを紹介されていました。その漢方薬は、抗ガン漢方としてよく知られている3つの補剤の漢方薬でした。
補剤とは、「気」や「血」などの不足・虚に対して、「不足を補う」補益法に使う漢方薬です。
よく知られている「人参」を含むものが多いのが特徴です。この人参などの生薬は「補気剤」に分類されていて、全身の機能・代謝・抵抗力の低下に伴う症状「元気がない、疲れやすい、動きたがらない、息切れがするなど」を改善します。
そして、紹介された3つの漢方薬は、補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯です。
これらは、主に気血を補うことで、免疫の調整作用を高め、さらに遺伝子レベルでもアンチエイジング効果が認められました。
低下した免疫力を高めることは、ガン細胞を貪食する免疫細胞の機能を高めたり、数を増やします。また、遺伝子のエラーを減らすことは、ガンの予防にもつながります。
人参などの補剤は、胃腸の機能を高めて食欲を高めたり、消化力を高めることにつながります。また、脳の血流を良くしたり、不安やストレスに対して萎縮してしまっている脳神経細胞を元気にして、やる気や安心を取り戻してくれます。
ですから、代表的な補中益気湯は、抗ガン漢方として使われるだけでなく、風邪やインフルエンザ、コロナなどの予防にもなりますし、ストレスに負けない受験脳として、夏バテ予防等にも使われます。このような働きはプラズマ療法と似ていて、プラズマ療法と同じようにエネルギー(気)チャージにもなりますので、プチ疲労にも利用できますね。
十全大補湯や人参養栄湯は、補中益気湯よりもさらに貧血などの血の栄養不足の症状が進んでいる場合(血虚)に適応になります。特に、人参養栄湯は止咳・止痰の遠志・陳皮・五味子という生薬が配合されているので、慢性の咳嗽に適応するので、肺癌に使われるようです。
漢方を良く知る医師は、がんの診断と同時に体調をプラスにする目的でこれらの漢方薬を処方してくれるかもしれません。次の検査まで何もしないで返すことはしないでしょう。
統合医療を知る医師は、さらにビタミンの服用や食事のポイント、運動等の説明もしてくれるかもしれません。診断を下すと同時に、心をほぐす言葉で安心を与えてくれるでしょう。
とにかく漢方薬は自然療法です。ちなみに、少ないですが副作用はあります。しかし、体調をプラスに整えてくれるので、大いに活用はしたいですね。
ちなみに、私が常備薬として手元においているのは、五苓散、葛根湯、桂枝湯、半夏瀉心湯などです。
(参)東洋医学の基本講座、漢方処方の構成と適用