見えたものがすべてではありません。思い込みを解放して生きよう! – プラズマサロン ひだまり庵

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見えたものがすべてではありません。思い込みを解放して生きよう!

今回は、愛読書の月刊致知7月号から「マジックで人々を“思い込み”から解放したい」という志を掲げ、精神科医兼マジシャンとして異色の活動を続けている志村祥瑚(しょうご)さんのお話しをご紹介します。志村さんは、平成24年20歳の時にラスベガスジュニアマジック世界大会優勝。平成29年からは女子新体操日本代表のメンタルコーチを務めるなど、精神医学とマジックを融合させたオリジナルのメンタルトレーニングを確立。銀座駅前メンタルクリニック院長として診療されています。


・・・外来で治療する時や講演やメンタルトレーニングを行う時も、実際にマジックを披露しています。

精神医学とマジック、なぜこの二つを?と多くの方が疑問を抱くと思いますが、実は人が悩むのもマジックで騙されるのも原理は同じで、どちらも“思い込み”によるものなのです。

・・・意識はカメラのレンズのようなもので、ピントがあったところは見えますが、そうでないところは意識外に押し出され、視界に入っていたとしても見えなくなってしまう。

これはマジックだけでなく人生についての考え方も同様です。外来にいらっしゃる方の中には「コロナ禍で行き詰まり、死ぬしかない」「試合のレギュラーになれなかったからもう終わりだ」と思い込みや囚われによって視野が非常に狭まってしまった方が多くいらっしゃいます。そうした方々に、初めから言葉で“思い込み”について説明してもなかなか理解していただけないので、マジックを通じて、自分が見ていると思っていたものがすべてではないとお話ししているのです。

・・・私たちの脳には一秒間に七ギガバイトもの情報が入ってきているといわれています。視覚、聴覚、味覚など様々な手段がありますが、それらをすべて意識することができないため、無意識下で取捨選択しています。例えば、今この瞬間、瞬きをしていることやお尻がイスに接している感覚を意識していましたか?・・・

・・・思い込みは自分では気づきにくいものですので、こうしてマジックのタネ明かしをして、意識のフォーカスを広げてもらっているのです。

・・・一番脂が乗ってこれからだという時に病に伏せ、がんが骨まで転移していて半身不随。毎日「死にたい、死にたい」と繰り返していました。・・・学生であった自分に何ができるか分からなかったものの、得意だったマジックを患者さんの前でいくつか披露しました。すると、患者さんの表情が明るくなったので、過去や現実は変えられないけれど、いまマジックを楽しめたように、意識を変えれば人生も楽しめるようになるとお伝えしました。意識って、テレビのチャンネルみたいなものなんです。

テレビにチャンネルがいくつかあるのと同様、人生にもチャンネルがたくさんあります。にもかかわらず、その方は「なんでがんになってしまったのだろうチャンネル」ばかりをずっと見ていたんです。・・・このお話をしたところ、翌日は廊下にも音が漏れるほどの大音量で動画を見ていて「これ面白いよ」と話しかけてくれるまでに元気になりました。昨日と現実は変わっていません。それでも「いま」を楽しめるようになった。この体験が後に、マジックと精神医学を融合したパフォーマンスへと繋がっていくことになりました。

・・・僕がこの活動を通して最もお伝えしたいのが「見たものがすべてではない。どんなにリアルだと思っても、イリュージョンかもしれない」ということです。悩み苦しんでいる渦中は「死にたい」「行き詰った」と思うかもしれません。しかしそれは自分の思い込みに囚われているからであって、本当の現実ではありません。どんなに暗闇だと思っても、どこかに必ず光があります。

・・・マジックの場合、タネ明かしがまさに一灯がともる瞬間ですよね。同じように、それぞれの人生において意識のフォーカスを変えることで、自らの思い込みに気づいてほしい。それが一灯となり、明るい人生を拓く鍵になると信じています。

 

ぜひ、日ごろの面白いことを見つけて笑ったり、感謝のタネを見つけていったりして行きましょう。私の愛読書「月刊致知」をぜひご購読してみてくださいね。

 

(参)月刊致知2021年7月号

2021.07.09[ こころと魂を養うお話しライブラリー ]

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