がん細胞は、遺伝子のエラーミスなどが積み重なって出来た悪いものというのが一般常識です。
しかし、元々私たちの細胞から出来たものです。本当に悪者でしょうか。
世の中において、罪を犯した人間はすべて悪者なのでしょうか。同じように考えられます。
視点を変えると、凶運も自ら招いている点があります。境遇は自ら造っている面があります。
東洋哲学では、物事に良い悪いは関係ないと考えます。
人は人間と書きますが、さまざまな人や事象の縦糸と横糸の織りなす狭間を演じているものと思います。風が吹けば桶屋が儲かる。ブラジルの一匹の蝶の羽ばたきが、テキサス州で竜巻を起こすというようなバタフライ効果がありますが、人は他の人やさまざまな事象の影響で人生を演じさせられている面があるのです。
がんもさまざまな原因がありますが、多くは今までの生き方の間違いを気付かせてくれるものとしてとらえる方が、しっくりくるのです。
がんが出来て「悪いものだから切ってしまおう、焼いてしまおう。後は、また今までの生活に戻れます。」と言われたらどうですか。食事も含めて、今までの生活習慣ががんを作ったのではないですか。
よく「2:6:2」の法則と言われるものがあります。組織のような集団ができると、優秀な上位が2割、平均的な中位の人材が6割、下位のグループが2割に分かれるという考え方です。生物のアリや蜂の集団にも見られます。
先程の犯罪者の例も含めて、がんなど悪いところを取っておしまいとはいかないのです。必然だから、犯罪が行われたり、病気が作られたりしているのです。
ですから、そうならないような環境作りが必要だと思うのです。
東洋医学や哲学をベースにした全人医療の考え方に則って、病気や物事を見ていくといろいろなつながりに気付いていくものです。
人とのわだかまりやストレス、生活習慣などによってバランスを崩している面です。
そして、心が明朗愛和な状態になり、生活習慣も整ってくると、自ずと体内環境も改善されていき、病気が縮退していくのです。この手順が順当ではないでしょうか。
いきなり悪いところを切り取る荒療治も時には必要でしょうが、その周りの環境に配慮していくことは必ず必要でしょう。
そして、正しい生活習慣を知り、正しい食生活を知って、明朗で心穏やかに過ごしていくことが大切です。
現在、益々自然災害は猛威をふるって来ています。それは、人間が地球上のがん細胞のように、我が物顔で自然環境に負荷をかけ続けているからです。イライラ・せかせかして交感神経が優位になれば、自然環境は最大級の低気圧である台風やハリケーンによってバランスを取ろうとしているのです。それでも、穏やかにならなければ、地震という局所のアポトーシス的活動により、土地ごと入れ替えようとするのです。
この1年もコロナ禍に振り回され続けましたが、時に楽しみ、時に安らかに穏やかに、ゆとりを持って過ごしていきましょう。感謝と喜びで過ごしていきましょう。
この1年も縁ある方々にはお世話になりました。ありがとうございました。