自然は、癒しを私たちに与えてくれます。
緑の波長や超高周波は脳にリラックスを与え、吸うビタミンといわれる“マイナスイオン”は酸化から守ってくれます。
また、森林の中では多くの微生物が行き来し、私たちと交流しています。腸の細菌の多様性にも寄与して、免疫を整えてくれます。
ところが、現代社会では自然から益々遠くなる傾向になってきています。
ですから、身近に小さな自然を置くことをお勧めしたいと思います。
簡単なのは、自然の写真、緑豊かな公園の写真などです。
アムステルダム自由大学の実験では、60人の学生に複雑な数学の問題を解かせて精神的なストレスを与えた後、半分には緑が豊かな公園の写真を5分だけ見せ、残りには一般的な都市の光景を眺めるように指示。それから全員の自律神経を計測したところ、公園の写真を見た学生は2倍も副交感神経が活性化し、心拍数も有意に低下していました。
また、風の音や虫の声を5分25秒ほど聞いた被験者は、車のエンジンやオフィスのざわめきを聞いたときよりも、有意にリラクゼーション反応が起きていました。
そして、観葉植物を取り入れてみましょう。
ノルウェーでの実験では、デスクの上に観葉植物を置いた従業員ほど主観的なストレスが低く、病気で会社を休む回数は少なく、仕事の生産性まで高い傾向が見られました。
また、観葉植物の近くで働くオフィスワーカーは肌荒れが減ったとの報告もあり、副交感神経の活性化によって体内の炎症が治まったのが大きかったようです。
さらに、観葉植物には幸福度や集中力を上げる効果も確認されています。
身近に置く観葉植物の種類は何でも構いません。自身の好きな植物を選べば良いでしょう。
ちなみに、観葉植物選びの参考として、1989年にNASAが行った「クリーンエア研究」のデータを一部ご紹介します。
ポトス(Pothos):ホルムアルデヒドを吸い込む効果が認められている。初心者向け。
キク(Chrysanthemum):ベンゼンとホルムアルデヒドをフィルタリングしてくれる。
ガーベラ(Gerbera daisy):ベンゼンとトリクロロエチレンを吸収してくれる。
サンセベリア(Sansevieria):ホルムアルデヒドをフィルタリングしてくれる。
ツツジ(Azalea):ホルムアルデヒドをフィルタリングしてくれる。
今、オフィスやホテルなどで人工的な香りで癒そうとしているところもあります。メリットもありますが、数多くの有害物質も吸い込んでしまいます。アロマや香料の成分の多くは、脳や神経系に有毒な神経毒です。
観葉植物は、天然の空気清浄機としてシックハウスの対策にも使えるので、ぜひ、身近に小さな自然を置いてみましょう。
(参)脳にいい食事大全、最高の体調