現代の私たちは、あっという間に、ついスマホを取り出して見る習慣になっています。
電車の中でも、年齢を問わずほとんどの方がスマホ片手に過ごしています。そして、友人や家族と食べている時でも自分の世界を作ったりして「ながら食い」になっています。
今回は、食べることに意識を向けて食事をすることの大切さをお伝えします。
私たちは、肉体と魂の合致したもので、肉体の栄養が食事で魂の栄養が希望や感動です。
私たちの肉体の栄養を摂る行為である食事をおろそかにすることは、私たちの肉体をおろそかにすることに他なりません。日常の食事にしっかり意識を向けて行くことは、私たちの体のみならず、心も養い、心身を整えることになります。
そして、今回の「食べる瞑想」は「マインドフル・イーティング」というものです。
まず、そのやり方をご紹介します。
普段の食事でも良いですが、レーズンやナッツなど一口で食べられるものがお勧めです。
- 食べ物を観察します。
深呼吸をして、心を落ち着かせて一粒もしくは少量だけ手に取るか箸で取ります。重さや触れた感覚、色、形、表面のしわなど、細かく観察します。
- 香りを嗅ぎます。
嗅ぎながら、どのような感情や思考がわき起こってくるのか、身体にどのような変化があるのかなどを感じてみます。
- 口の中に入れます。
口に入れて食感を味わいます。味の変化や唾液の様子、感情などを観察します。
- ゆっくりと噛みます。
食感の変化や味、ドロドロに溶けて行く感覚や感情などを観察します。
- ゆっくりと飲み込みます。
最期にドロドロに溶けた食べ物をゆっくりと飲み込みながら、のどを通る感覚や感情などを観察します。
ちなみに、古からある禅の世界で行われている「食禅」ですが、そのやり方は、単に食べ物に集中し、食べる過程に集中する方法ではなく、日常生活の一つとしての食のあり方から食材やその作り手への思い、それを頂く自身への問いかけ、心のあり方、食後の作法等と命と向き合う修行の一環という位置づけになります。
そして、食の瞑想をすることで、食本来の味わいを楽しめるだけでなく、日常を豊かにし、心身の安定、消化力を高める、血糖値が下がるなどの健康効果、ダイエット効果、自身の感覚を繊細にするなどのメリットを得られます。
食べる前後に、食への感謝をしてから、最初の数口からでも始めてみてはいかがでしょうか。