最近、昆虫食とりわけコオロギ食が話題になっています。
なぜ、タンパク源を今までの食用肉でなく、コオロギなのでしょうか。
それは、コオロギは飼料効率が良く、温室効果ガスの排出量が少なく環境負荷が低く、食糧危機からの脱出策にうってつけとのことです。
すでに、昆虫食自動販売機でコオロギクッキーやコオロギの素揚げを瓶で販売されています。日本航空(JAL)の機内食では、コオロギパウダーが使用し始めたり、徳島の高校では、学校給食でコオロギパウダーを使った料理が提供されました。
ちなみに、学校給食における提供企業は遺伝子操作/ゲノム編集を専門に行う株式会社グラリスという企業で、遺伝子操作によって昆虫の巨大化や食味改善のメリットを謳っています。また、ファミリーマートと提携してコオロギパウダーを使用したクッキーやプロテインバーを販売しています。
では、安全性はどうなのでしょうか。
食品安全委員会では、欧州食品安全機関から公式発表されている資料を元に、次のように記述しています。
- 総計して、好気性細菌数が高い。
- 加熱処理後も芽胞形成菌の生存が確認される。
- 昆虫及び昆虫由来製品のアレルギー源性の問題がある。
- 重金属類(カドミウム等)が生物濃縮される問題がある。
このように雑菌や芽胞菌、重金属、アレルゲンの問題があるとのことですが、中国でもコオロギについては「微毒」「妊婦に禁忌」として、食用にしていませんでした。
また、芽胞菌は「ハチミツを1歳未満には食べさせてはいけない」というのと同じ理由です。芽胞菌が産生するボツリヌス毒素の神経毒の問題です。
さて、私たちは昔からイナゴや蜂の子などの昆虫を食べていました。それらとコオロギの違いは何でしょう。
イナゴの食糧は稲(植物)です。イネの子、イナゴです。蜂の子は親蜂が採って来た花の蜜(植物)です。一方、コオロギは雑食です。草以外に動物や昆虫の死骸を食べます。また、コオロギは昆虫学的にゴキブリ近い仲間です。姿が形が似ていますね。
ちなみに、コケを食べるアユは丸ごと食べられますが、雑食のヤマメやマス、コイは内臓は捨てて食べます。
不自然に畜産を廃業させてまで、タンパク源だと言ってコオロギを食べて行きましょうというのはいかがでしょうか。