タウリンといえば、おなじみの〇〇ビタンDの主成分。
タウリンは、臓器別では特に心臓に多く含まれ、次いで筋肉、肝臓、腎臓、肺、脳、さらに網膜、卵巣、精子などにも含まれます。
タウリンの働きは多岐に渡り、以下に列記します。
・胆汁酸の分泌液の一部として、肝臓の機能回復、解毒作用強化、肝細胞の再生促進作用
・全身の細胞膜の安定(ホメオスタシス(恒常性維持)作用)
・疲労回復効果
・血圧降下作用
・血液凝固抑制により動脈硬化症や血栓症の予防
・コレステロール低下作用
・骨格筋や心筋の過興奮抑制作用
・臨床的心不全の治療効果
・アルコール禁断症状抑制作用
・インスリン分泌促進作用(厳密にはグルカゴンとのバランス調整)
・抑制性神経伝達物質として、てんかん発作や不安・多動などの抑制作用
・目の保護や視力の確保、加齢黄斑変性症の予防
最後に述べた加齢黄斑変性症の予防などの目に良い訳は、網膜中に存在するアミノ酸類の4~5割をタウリンが占め、体内でタウリンの濃度が最も高い部位の一つであるからです。
「ネコは魚介類を食べないと失明する」のは、ネコにはタウリンの合成酵素を持っていないため、タウリンの豊富な魚介類をエサとして必ず取らなければならないからです。
一方、現代の食生活ではマグネシウムやビタミンB群が十分に摂取できてないために、タウリンの合成に支障をきたしている人が増えていると考えられます。
つまり、「人間のネコ化」が進んでしまっているといったところです。
タウリンは、多彩な働きをしているだけに、私たちにとって必須化しつつある栄養素です。
目の不安な人以外、血圧やコレステロールの高い人、神経の緊張がある人、疲れている人、飲み過ぎた人には、ぜひ積極的にタウリンを活用してみてください。
ちなみに、タウリンは魚介類のカニ・イカ・タコ・エビ・カキなどに多く含まれています。タウリンは水に良く溶けるので鍋など汁ごととれる形で摂取したいですね。
そして、ネコが魚をネコババしたときには、これからはおおらかな気持ちで見守ることができますね。